モンスター

昨日と一昨日、久しぶりに新宿の行きつけの飲み屋さんに行きました。
そこのお店は頭がおかしいマスターがやっていて、
昨日も一昨日もお店に私が行くと
まるで壊れた機械のように東郷健さんの薔薇門と
美空ひばりさんのリサイタルのDVDをエンドレスでかけ続けるのでした。

美空ひばりさんについては私は好きか嫌いかと言われれば当然大好きで、
そのセンスや歌唱表現についても素晴らしいと思うのですが、
素晴らしいにもいろいろ種類があるのだなということを考えさせられます。

美空ひばりさんという人は
本人の才能もありますが、
何よりファンの期待に真摯に応え続けた結果の産物なのだなと思いました。

この方は都はるみさんや森昌子さんやキャンディーズと違って
普通の幸せというものを追いかけたことは無いのではないでしょうか。
(一応結婚はしたことがあるようですが、スター同士の結婚でしたし)
その点でも王道の大スターということで、良いことも悪いことも含めて
それを全うした方だという気がします。

リサイタルでひばりさんは
森英恵さんのドレスをずっと着ていたわけですが
ひばりさんの斬新な着こなし方や衣装と曲調のマッチングなども含めて
私には森さんのトレードマークの蝶々さん達が時折、
「ギャー」という悲鳴をあげていたような気がしました。
才能と才能のぶつかり合い、凄まじいです。

そして心なしかひばりさんのバックステージでの姿が
先日国民栄誉賞を授与された「なでしこジャパン」の皆さまに似ていたのは
やはり同じ国民栄誉賞受賞者同士の不思議な共通点だなとも思いました。

いずれにせよ「お嬢」はとてつもないモンスターです。
ニューレディーとしての女性像に大いに刺激を与えてくれた
新宿での夜でした。