嗜好品と中毒性

ステージやお店などのエンターテインメント系のお仕事を
かじらせてもらっている私ですが、
この仕事をしていく上で一番重要なのは
嗜好品としての自覚だなとつくづく思います。
  
若い頃というのは
その可愛さや可憐さというところで勝負もできますが、
次々と若く新しい花は出てきて
若さ、美しさの勝負は続けられません。
花は枯れる運命なのです。
  
もちろん、大地真央先生が
昔、保険会社のコマーシャルで歌っていたとおり、
花の命はけっこう長い
というように美しさの延命というのも可能です。
  
が、いつか花は枯れ、延命した花の不自然な美しさと
若々しい旬の花を比べると、
どうしても若々しい旬の花に目が行きます。
  
次々と出てくる新しく若い花たち。
その中でこの仕事を長く続けるには
若さだけではない、中毒性という要素が必要なのです。
  
つまり、嗜好品が長く愛されるには毒を含むことが必須なのです。
私たちは存在そのものが、酒やたばこと一緒なのです。
  
最近、ひばりさんのドキュメンタリーをよく見返しているのですが
やっぱりこの方も強烈な毒性を持っていて、
毒を持って毒を制すのごとく、お酒をとったりして、
その毒や自分の毒で命を削られたような気がします。
  
その代わりに
あらゆる人を引き込む強烈な中毒性を放った大スターだったのです。
  
私もひばりさんほどのスターとまではいきませんが
この仕事を続けていこうと決めた以上、
自らの毒性と折り合いをつけ、
その毒に飲まれながら、生きていくのだなと自覚しました。
  
デトックス(毒出し)なんて、している暇はございません。
私は毒。
だから、そんなに私を好きにならないでください。
毒ですよ。毒。
ふふふ。