映画の前に原作を読むと駄目なの

昨日は「重力ピエロ」の映画の方を観に行ってきました。
いや、悪くないんですよ。
悪くない、むしろ良い映画だと思いましたが、
原作を先に読んでしまうと、
どうしても自分の頭の中の映像との比較であったり、
原作との比較であったりで、
減点法で観てしまう自分がいるんです。

岡田将生君は超かわいいし、
加瀬亮は妙に生々しくセクシーだし、

でも小日向文世がヅラかぶってる回想シーンで
なんか笑っちゃうんです。映像化って難しい。
鈴木京香の回想シーンもちょっと苦しいような。

あと、渡部篤郎の役が重要だと思うのですが、
イメージと違うというか、セックスの猛獣っていう
臭いがしないんです。スマート過ぎる。
あの人がしっかり憎らしく魅力的に描かれていなければ
この物語が成立しない。

まぁ厳しく観てしまうというのはそれだけ作品に愛着がある
裏返しなので、いろいろな制約の中で映像化したスタッフの皆様には
それでも良い作品だとお伝えしたい。
良いメッセージが沢山ある作品だし。
小説を読むのが面倒という人にはぜひその作品世界を共有して欲しいです。

深刻な話こそ陽気に伝えるべき、とか
楽しそうにしていればそのうちに重力なんて感じなくなるんだ、とか

負や陰を抱えた中で、それでも正を陽を目指すという
その姿勢や哲学に共感を感じずにはいられない。

今更ですが、この作品と出会えて良かった。