ウィッグストックジャパン→Jet Stream

楽しかった!

何がって、ウィッグストックジャパン→JetStreamという
大阪24時間耐久女装レース。

8月15日、前日の夜から興奮してあまり眠れないまま起きて準備。
8時半に家を出て、10時のANAの飛行機で大阪へ。
大阪空港交通のモノレールで千里中央駅に行き、
そこから北大阪急行で緑地公園前に到着。
10分くらいで服部緑地の野外音楽堂にたどり着くと、
楽屋には山のような数の女装がメイク中。
それもその筈だ、だって70人の女装が集まったのだから。

最初はおっかなかったけど、徐々に知った顔が見えてきて
落ち着いてくる。女装のいいところは変に威張る人間がいないところ。
とてもさっぱりしているのである。普通これだけ沢山集まると
嫌な人間が一人はいるものだが、本当にいないのである。

なんと気持ちの良い連中なのだろう。

15時のオープニングセレモニーと自分の出番とフィナーレだけが
舞台に上がる機会だった。今回の私の出し物は松坂慶子さんの「ボンボワヤージュ」だ。
夕暮れの中でこの曲をやりたかったので、無理を言って遅い時間にしてもらった。
理想どおり夕焼けの中、切ない感じでショウができたので個人的にはとても満足であった。

これだけ女装が沢山いると、いろいろな種類の人がいるなと思う。
ダンスにかける人、スカした芸にかける人、歌い上げディーバになりきる人、
しゃべりの楽しさにかける人、ヘアスタイルにかける人、本当に女装は勝手気ままだ。

それでも一つ共通点があるとすると、それは「おめでたさ」というところではないかと
思った。そう。女装には「おめでたい」感じが重要なのである。

「おめでたさ」とはなんともいえないバカバカしさを含んだ陽気さというか、
生きていることの楽しさというか、そんな感じのものである。
そう、それはある種赤ん坊に近い陽気さでもあるとも言える。
「お愛でたい」というか、とにかく「ハレ」のものなのである。

かくいう私も三十路をとうに過ぎて、ミニスカートはいて喜んでいるおっさんなので
非常におめでたい女である。
その感覚を忘れないでいたいなと強く思ったのです。
実は女装も人の子なので、ある程度年齢を重ねていくと、
キャリアという意識が出てきて、
技術が高いものをしなければならないということをうっすら考えてしまうものである。

若い人に比べてキャリアを積んだところを見せたいという意識が
より面白い物を産むモチベーションにもなるのだが、
それに囚われはじめると女装としての面白みが薄れてしまう。
そんな時に女装本来の「おめでたさ」を忘れないようにして臨むと
もっと自由に楽しく解放的に女装を生きられるのかもしれない。

ウィッグストックが19時に終わってから、メイクを落として梅田に移動。
予約していたホテルにチェックイン。
その後Do With Cafeに荷物をおいて、女装仲間とお好み焼きを食べに行く。

皆30歳オーバーのおっさんでもあるので、まぁ食べる食べる。
驚くほど沢山のお好み焼きを平らげ、重くなった体に鞭を打って、
夜のイベントに向かう。

夜は私はJet StreamというDo with cafeで行われたイベントに出た。
しかし、まぁ周りの女装のなんというアグレッシブさ。
私は正直、CAというものに執着があまりないのであるが、
本当にみんな好きなのね。びっくりするぐらい。
ダイアナさんとミッツさんのCA姿は本当にそういうCAが居るわって思える姿で、
嬉々として機内サービスを続ける姿にとても感心をしたのである。

ここでもショウを2回やり、明け方は心地よいグタグタ感の中、
5時のフィナーレを迎えた。この時点で昨日の朝から24時間以上が経過。
この長時間耐久女装を無事に完走することができました。
お母さん、丈夫に産んでくれてありがとう。

ホテルに帰り、死んだように眠る。次の日3時くらいに起きておなかが空いたので
食事をしに、梅田に出たが、疲れていてしんどかったので、食事の後、阪急百貨店の
地下の食品売り場のアンリシャルパンティエでロールケーキとタルトを買い、
ホテルの部屋に戻り、食べてまた寝る。

夜、何故か岩崎恭子さんの金メダルを取ってからの苦悩を描いた番組を見てしまい
ボロボロに泣く。恭子ちゃん、とても大変だったのね。でもきっと苦労の分だけ
美人になれたから良かったね。

夜はDo With Cafeで女装談義。久しぶりにマーガレットさん、シモーヌさん、ミッツさん、ダイアナさん、
オナンさん、牛子さん、私の7人で4時間くらいお話をする。

その後ホテルに戻ってまた爆睡し、翌日昼過ぎに東京に戻ったのでした。

私、やらしいこと何もしなかったのに、すっきりした気持ちでいっぱいです。
大好きな女装に囲まれて過ごした週末。34歳の夏、とてもよい思い出ができました。

企画をしてくださった衣川さんやDo with cafeのfoxy-oさんをはじめ、
大阪の皆様、本当に有難うございました。