ブルーオーシャンを行く女

今日も話題に上っている事件を私なりに考えてみました。

木嶋佳苗被告の裁判について。
概要は
結婚や性愛を散らつかせて交際した男性からお金を巻き上げ、
あげく邪魔になったら、自殺を装い殺害した
という容疑の裁判であります。

世間が注目したのは男を手玉に取った女が不美人、
いや、はっきり言うと醜女(しこめ)であったという点でしょう。
どうしてこんな醜女に何人もの男が騙されたのか理解できない。
しかも、醜女のくせに堂々としてふてぶてしい。
モテ女の論理を平気で押し付けてくる。
何故だ?というのがポイントでしょう。

だが、しかし、こういう意見をいう人間は現実が見えていないように思います。
恋心や性愛を求める心はどんな人にも宿っているのです。
どんなに醜い容姿の男女にも。
不細工には騙されないと言っている人間は
テレビや漫画、小説のラブストーリーだけが、
恋愛や性愛とでも思っているのでしょうか。

現実をよく考えてみましょう。
世の中には確かに容姿に恵まれた美男美女はいます。
でも割合としては2割がせいぜいでしょう。
百歩譲って全体の6割から7割は中庸だとします。
それでも1割は確実に不細工なのです。
私は学生の頃、40人クラスで育ちましたが、
やっぱりクラスの中で男女2人ずつ位は必ず不細工な方がいました。
人口が1億2千万人とするとマーケットは1200万人。
これって巨大なマーケットだと思いませんか?

恋愛・性愛となると更に状況は変わります。
年齢という変数が出てくるのです。
日本の文化的風土として若い方を良しとする傾向があります。
これはつまり、ある程度年齢をいった、容姿の美しくない人間には
恋愛・性愛をするというのは極めてハードルが高くなるのです。
でも、そんな人間にも恋する心、性愛を求める心は確実に宿るのです。

木嶋被告はこの恋愛・性愛というマーケットの全体図を熟知していました。
そして、自分の容姿・年齢が最も高く売れるマーケットを見つけて
そこに売り込みをかけたのです。女を使って。
木嶋被告の「○○さんの子孫を残したい」という巧妙な語り口はまさに
女を使った最たる方法といえるでしょう。

女を使うということに抵抗感を覚える女性は多いですが、
それは道徳的、倫理的な問題であって、
現実世界ではこれほど最強の武器はありません。
恋愛、性愛に飢餓感のある、中高年の男性はひとたまりもないでしょう。

こうして女は男を手玉に取り、暮らしていたのです。

ある意味木嶋被告は経営学的に言えば
ブルーオーシャン戦略を行っていたのです。
恋愛市場において、同年齢の少しでも程度の良い男を
同年齢の女たちと血まみれになって争うのではなく(レッドオーシャン
誰も手をつけていない市場(ブルーオーシャン)をスイスイと進んでいたのです。

この点については木嶋被告の冷徹さというのから
学ぶべき点はあるように思います。
ただし、今回の事件。
金を巻き上げた後の男の執着心、嫉妬心ということについての
計算が甘かったのでしょう。
そこをもし仮に殺人という単純な方法で超えようとしていたのなら
その点の詰めの甘さというのも、ある意味教訓になります。

現実世界はドラマより、味わい深いですね。
だから女性たちはワイドショウが好きなんでしょうね。
ほほほ。