ヨーロッパってダサい

週末にちょっとした面白い話がありました。
私はまた一般ホモさんのフリをして
東京のゲイバーなるところをふらついていました。
 
そこで、女子力の高いと思われる
あご髭、短髪、ガッチリさんで超オネエという
その手の街にはよくいるタイプのお方のお話を聞く機会がありました。
 
たしか、旅行の話をしていて、アジアやアメリカの話を
していたのですが、そこでヨーロッパの話題になった時、
そのオネエの方が
「ヨーロッパって、ダサい♡」
と一言のたまったのでした。
 
現在、ヨーロッパは通貨危機、失業問題、財政破綻、など
暗い話題しかニュースでは提供しておらず、停滞のイメージはあります。
だからと言って、日本が明治維新から追いかけ、さんざん吸収し、真似してきた
ヨーロッパを一言で「ダサい」と切り捨てるのはいかがなものかと私は思ってしまったのです。
 
でも、冷静に考えると、それが女子(おなご)の特性であるともいえるのです。
「かわいい」「かわいくない」
「イケてる」「イケてない」
このシンプルな二項目で判断する。
情報が氾濫する現代社会で
一つの行動をする際の判断基準にはなると思います。
 
「ヨーロッパって、ダサい」は私が分析するに
自分の好みのものや人が多いか→多くない
今暗いニュースが流れているヨーロッパが好きな自分は→イケてない
という二つの判断基準から紡ぎ出された結論ではないかと思います。
 
もちろん、そのお方は大人の男性でもありましたので
アジアのゲイシーン(特にシンガポールや香港を中心とする中華系ゲイのスノッブ感)と
アメリカのゲイシーン、ヨーロッパのゲイシーンを比べたりした結果、
アジアのゲイシーンや文化が自分好みです、ということをヨーロッパを落とすことで
強調したかったのでしょう。
酒場のほんの軽口です。そこで拘る私の方が根暗でブスだということは明らかです。
 
でも、私は自分の中に生じた違和感の中から、
同時に世の中からオネエに対して求められているものも
これに近いのではないかと気が付いたのです。
 
女子の得意分野である
「かわいい」「かわいくない」
「イケてる」「イケてない」で割り切ってくれる。
 
でも言っている本人は男だか女だかわからないから、
なんとなく言ったことに対する重みもあまりなく
面白さだけが残る。
 
私は今、世の中で求められているオネエというものを
改めて考えさせられました。
そして、私はそれをやっぱりぶち壊したいという衝動があるということを
感じたのです。
 
私は切り捨てられない女です。
どうせやるなら撲殺や鉈で。
縊るという手もありますね。
つまりそういう女です。
 
複雑系オネエ。陰気系オネエ。
世のニーズはあまり感じられませんが
そこにやっぱり私の場所があるように思えた6月の夜でした。