There’s no business Like show business

アートとビジネスという言葉は
相反する言葉のように思われますが、
これは同時に求められるものなのだなと最近思います。
  
どちらが貴いものでもなく、どちらが賎しいものでもない。
 
芸人稼業。稼業と名が付くからにはビジネス(商売)であるのですが
芸道という道(アート)の探求も行わないと、
簡単に使い捨てられてしまうという
非常にセンシティブな稼業です。
 
なぜなら世間は底の浅いものにお金を払い続けるほど
愚かではないということです。必ず飽きられます。
 
かといって、そこで求められているもの
(割と安直なものを求められることが多いですが、
 時にとんでもない無茶ぶりをされます)
に対処できなければ商売が成り立たないという側面もあります。
 
お恥ずかしい話、名も無き小さな舞台やお店ばかりですが
かれこれ17年も女装稼業を続けているにもかかわらず
いまだに自分の中で芸道と商売の葛藤が起こります。
 
その葛藤は面倒くさいなとも思いますが
それが無くなったら、私は女装を辞めるんだろうなと思います。
私にとってその葛藤こそが思考の原点であり、
答えが見つからないからこそ女装を続けているのかもしれません。
  
執着と言われたら、執着です。
だから17年も続けているのです。
生まれてから続けていることの中で
女装が一番長いものになってしまいました。
女装を始めた時に生まれた赤ん坊が高校生になるくらい
女装をしています。
 
もはや女装は好きとかそういうものではなく
その後巡り会った人たちも含めて
運命なのかなと思っています。
 
始めた当初、女装は手段の一つと考えていたもので
運命だなんて思っていませんでした。
不思議なめぐりあわせです。
そして私、更に不思議なことにその運命を愛し始めました。
 
だからなのか
恋人やパートナーはいませんし、
だいたい孤独ですが
女装を通じてのご縁や
私の女装を愛してくださる人たちのことを思うと
なんとなく一人でもさびしくないと思うのです。
 
なんてね。
 
There`s no business like show business.