Let me swim, please.

先日、Campy!barで
よく知らない男性のお客様から
初歩的なところから駄目だしをされました。
  
女装するなら毛を剃れとか
そもそもお前が女装するな
というようなところでした。
  
そういうご批判に対してはスルー力を発揮して
髪をクルクルしながらにっこり微笑んで首をかしげて知らん顔
という技を覚えているのですが、
素知らぬ顔をしながら、いい研究のカモが来たと思い、
その方の度量の深さや見識、バックグラウンドについて
こちらはプロファイリングを行っています。
  
以前にも書きましたが、
見られているのはこちらだけじゃないんですよ。
  
見られること 見ること
http://d.hatena.ne.jp/nikuyo/20130210
  
女装をしてお店に入ると
こういう対人折衝機会が増えるのが
なかなかやめられない醍醐味でもあるのです。
  
まぁそのつまらないお客様のことはともかく
体毛については私への導入的なツッコミで
よくあるものの典型だなと思いました。
  
で、こちらとしてもそんなことは重々承知で
敢えてやっていることなので
ウーマンリブ的に「女は毛が生えていちゃいけないのですか?」
と逆に問いかけたり、
「オシャレアイテムとしてエクステンションをしている」
「高級フェイクファーをしている」
等の返しをよく使っていますが、
結構毎回のやり取りなので、私自身はだいぶ飽きてしまいました。
  
普段の会話でも最近思うのですが
そんなにあらゆるものにすぐにツッコミを入れなければ
会話は成立しないものなのでしょうか?
  
私は相手を泳がすということをよくやります。
  
ツッコミどころがたくさんある方に
一切突っ込まず、むしろ誉めて泳がせる。
そうするともっと面白いものが出てくる傾向があるのです。
  
最近の世の中の風潮として、「泳がす」という遊びが
下手になったなと思います。
「ツッコミ」というのは愛情表現という意見もあるので
一概に悪とは言えませんが、
タイミングがだいぶ早くなったような気がします。
  
そのスピードだとスケールの大きいボケは育ちません。
たとえば大阪の至宝、上沼恵美子さんのスケールの大きなホラ話なんかは
小さいところから突っ込んでいたら成立しません。
  
関西テレビと自宅の地下にリニアを走らせたり
大阪城や琵琶湖を所有していたり
通天閣スカイツリーが上沼家の物干し台だったり
  
まあ、そのスケールの大きなこと!
一定の泳がしがないと成立しないという最たる例です。
  
私自身は上沼さんのような天才的なボケではないですし、
同じ対応をお客様に求めるのは難しいことですが、
その基本的なツッコミを入れる前に
私を泳がして気分をよくさせるというテクニックを駆使したほうが
場が楽しくなるかも、
という想像力は働かないものなのかな?
なんて、38歳の冷徹な目は分析しています。
  
それともすぐにツッコむことで自分の優位性を確認したいのでしょうか?
どちらにしても器が小さいなと思われるお話です。
   
ツッコミのせっかちな方を見ると
やっぱりあのツッコミもせっかちなんじゃないか?
と邪推をしていまいます。ほほほ。