ニクヨ嬢のララバイ

先日お店に入っている時に
フィリピンパブのアフターと思わしきご一行が
いらっしゃいました。
  
私の好物はご存知の方も多いと思いますが
カタコトの日本語です。
もちろん私はフィリピンの方のカタコトの言葉も大好きで、
昔からルビー・モレノさんやマリーンさんに憧れを持ちながら
生きていましたので、きゃーうれしいわ。と思い、近づいたのですが、
お前は来なくて良いと一蹴されてしまったのです。
  
接客したくても接客できず、
通りがかりの後輩女装のリルさんが彼女たちには大人気で、
代わりに相手をしていただきました。
  
あれれ。
  
私は好きなものに受け入れられなかったのです。
仲良くなれそうな自信もあったのに。
客観的に言えば
その集団のボス的存在の女性が私のようなタイプの女装を
好きではなかっただけなのですが、
私は狭い世界でいい気になっていたのかもしれない
ということで冷や水を浴びせられました。
  
たしかに
東南アジア諸国ではオカマが意外と受け入れられていますが
実際に行ってみると、
中性的なオカマの方がより受け入れられている気がします。
それは周囲の人がそういう風に生まれて来てしまったのだから、
それを受け入れようという
生きる知恵のようなものを感じます。
  
私のように
男らしい体躯でふざけて女装をしているとも取れる女装は
何か彼女の琴線に触れてしまったのでしょうか。
敬虔なカトリックが多く、
陽気だけれど生真面目な方が多いかの国の方の。。。
  
実際のところ、私はふざけてもいるんですが
真面目でもあるのです。
女装心はいつも裏腹。
  
私は今回の一件について、
39歳を目前に、天からもう一度客観的に自分を見る機会を
もらったような気がしました。
  
「夜の街に咲く徒花」という自覚を持てと。
  
まあ体毛というのは
たしかに性的なホルモンによって作られるものですし、
つまり性的なものを連想させるものでもあるのです。
性的なものがなんとか生き延びれるのは夜の街なのです。
  
私の頭の中には急に中島みゆきさんの
「アザミ嬢のララバイ」が流れてきました。
  
でもだからと言って腐るわけではありません。
私は映画「吉原炎上」の若汐さんの台詞
「嘘で良い、嘘だって良い
 私はこの嘘の世界で一番大きな花咲かせたいんですよ。」
という言葉に共感してしまう性(さが)をもっているのです。
    
一番大きな花って何なんでしょうね?
  
それを探しながら
不惑に向かって突き進む一年になるのではないかと思います。