Life is a Cabaret!

酒場で働いているので
お酒については昔からよく考えていました。
 
結論としては
20代の時に出した
酒場の酒=虚栄心
という結論は今も変わっていません。
 
酒はもともと
喜びや悲しみなどの心模様を増幅させる作用があります。
また心を増幅させることで、素面(しらふ)の時よりも己が増幅され、
抑圧されていた己が表出するという作用があります。
  
だから酒癖が悪い人というのは
つまり、素面の時に、抑圧されたり、屈折された己を抱えている人で、
それが酒によって増幅されるから、酒癖が悪くなるのだと思います。
つまり、いつも我慢を多くしている人なんだなと。
  
酒癖の内容によっては
スルーしたり、他のお客様の迷惑になるので
店から出て行ってもらったりすることもありますが、
それでも私は酒癖が悪い人を心底軽蔑することができないのです。
  
そして酒場の飲酒というのは
衆目の中で行う行為です。
酒は己を大きくする作用があるので
誰しも抱える、周囲の人からの承認欲求も増幅させます。
  
そして自分を大きく見せたい、人からよく思われたい、
酒をこんなに飲める自分(の経済力)を見せたい、
そういった作用が働きやすくなり、
それでパーッとお金を使うということが起こるのです。
  
で、
それを無駄だと言う人もいます。
それを馬鹿げた行為だと言う人もいます。
酒の力で大きくなった(気がする)自分が散在することで
後で虚しくなるのではと。
しかも大量の酒というのは体に毒でもあります。
金を使って毒をあおる、全く意味がわからないと言う人もいます。
  
でも私はハッキリと思うのです。
虚栄心が無い人間に魅力はないと。
そして私の場合、魅力のない人生は歩みたくないと。
  
虚栄心というものは
一般には愚かしい人間の一面と教えられてきました。
また、身を滅ぼす要素の一つだとも教えられてきました。
たしかに大きすぎる虚栄心は身を滅ぼし、破滅を招きます。
  
でも、虚栄心のない人間に
人を惹きつける魅力はありません。
人から愛されて、協力をしてもらう力はありません。
かのローマの英雄カエサルも、当初は虚栄心で借金まみれでした。
  
己を大きくして、背伸びをしなければわからない自分がいます。
背伸びをしなければ見えない世界があります。
背伸びをして見えた世界に近づきたいと思う自分が生まれたりします。
  
そういったことを身を持って体験できるのが酒場なのです。
だから私にとって酒場とはテーマパークであり、修験場なのです。
いろんな人の修行の仕方が見られます。
一歩間違えたら崖から落ちる、山での修行となんら変わらないのです。
  
でも日常もうっかりとすれば平々凡々と思ってしまいがちですが、
一歩間違えたら崖から落ちる、そんな落とし穴が沢山あるのです。
  
一人で飲むお酒は
もしかしたら合法なだけで、
違法薬物と作用は変わらないのかもしれません。
(違法薬物は後遺症が重かったり、犯罪につながる症状が出るので
 私は絶対に摂取しませんし、何よりも周囲に迷惑がかかるので手を出しません)
  
だけど、酒場の酒は剥き出しになった自分や他人のコアを
沢山観察できて、
己の虚栄心を満たしたり、お客様の虚栄心を満たしたり、
周囲の人の増幅された己自身を見たり、自分の増幅された己自身を見たり、
羽目を外してしまった後の反省も含めて、修験場なのです。
  
人間というものの観察と考察を行うためには
なかなか良い場所だと思います。
  
だから私は酒場が好きなのかもしれません。
  
Life is a Cabaret! Old chum.
Come to the Cabaret!
  
今日は酒場に対する愛情を表現したくなったので、
こんなことを書いてみました。
飲める人も飲めない人も
よろしかったら、、、、