ボツ記事供養

AMさんへの連載を書いていると
いくつか書きかけて自分の中でボツにする記事が出てきます。
  
今回は先日のホーチミン旅行について書いた記事が
あまりに個人的過ぎて、良くないと思ったので
先日のバカンスの報告を含めて
この超個人的なブログにて供養で掲載いたします。
  
タイトル What are you looking for ?
  
先日、ベトナムホーチミンに旅行に行ってきました。
旅行と言っても半分仕事のようなものです。
ニューレディー時の衣装や小物を買いに行くのです。
ホーチミンではオーダーで衣装を作るのがとてもリーズナブルで
規格外のニューレディーの私にはとてもありがたい街なのです。
またかわいらしい小物もたくさんあります。
だから今回も沢山、買い物、いや、他の女装達へのおみやげもあったので
買い付けをしに出かけたのです。

着いて直ぐに採寸とデザインの依頼を済ませると、
出来上がりまでは観光と買い物の時間で、
街や市場をぶらぶらしたり、現地のオプショナルツアーに参加したりします。
帰国日までに間に合わなかったオーダーは
後日郵送もしてもらえるので、とても便利です。
  
私は特に市場が本当に好きで、観光用の市場ではなく
英語も日本語も通じないベトナム語だけの地域に
Googleさんの翻訳アプリと計算機だけで毎回潜入していきます。
現地の商売人との駆け引きが、とても楽しくて仕方ないのです。
少し変わっていますよね。ふふふ。
  
さて、今回、リーズナブルなレストランを探しに
ファングラーオというバックパッカー街にも行きました。
タイのバンコクのカオサンのような所です。
安い値段で宿泊出来るゲストハウスが集中していて、
24時間、その客を逃さない用にカフェや酒場が開いている繁華街です。
  
そういう場所に行くと、日本でもそうだと思いますが、
ポン引きの人が何をお探しですか?ということをしきりに聞いて来ます。
事実上の世界共通言語である英語でいうと
What are you looking for?
何故か今回の旅行ではこの言葉が胸に留まりました。
 
日常の延長で近所の歌舞伎町のポン引きさん達に
何をお探しですか?
と聞かれても、私は無視モードで通り過ぎます。
母国語故に、その意図や顛末が容易に想像できるからです。
  
でも遠い異国の旅先で
母国語ではない言葉で
What are you looking for?
と聞かれると、
急に私は人生で何を探してたっけ?
なんてことを柄にもなく考えてみたりするのです。
  
人は日常に忙殺されると
何が欲しくて今ここにいるのかを見失います。
旅という非日常が大切なのは
日常のルーティン(決まりきった仕事)から離れ、
少し大局的に自分の人生を考えるきっかけになります。
  
今回の旅は見失いかけていた何が欲しいのかということを
またはっきりと見つめ直す良い機会になりました。
私はニヤニヤしながら一生懸命生きて
そこで気付いた知恵や面白いものの見方を
同世代や年下の人たちに教えてあげたかったのです。
  
子供も作れず、一代で消えてゆくこの身です。
社会のお役に立てることといえば、働いて納税するくらいです。
教育を受けさせる義務については果たせていません。
だからせめて、自分の同世代や年下の人達が
私の言葉を聞いて生きるって面白いなと楽しんでくれたら
うれしいなと思うのです。
こんなことを思うなんて、私も年を取ったのかしら、ふふふ。
  
皆さんに飽きられないように
好奇心と探究心を大切にこれからも言葉を紡いでいきたいと
ホーチミンの空の下で誓った秋のバケーションでした。