女装をしてわかる蔑視の構図

いいおっさんが女装をすると明らかにおかしく思われますが
いいおばさんの男装は変だなとは思いますが、あまりおかしく思いません。
 
男が女装をするとおかしく
女が男装をしてもあまりおかしくはない。
 
これはファッションという点で言えば
女性のファッションにはパンツルックや男性的なアイテムもあり、
そもそものファッションの選択肢からあまり大きく外れないというのがまずあります。
男性のファッションには基本パンツルックしかなく
(巻きスカートをパンツやレギンスの上から履くというスタイルも一部ありますが
 一般的か否かでいうと一般的ではないように私は考えています)
そもそものファッションの選択肢が少ないというのがあります。
 
この男性のファッション選択肢の狭さへのアンチテーゼというアプローチから
異性装をする方に作家の志茂田景樹さんがあたるのではないかというのが私の認識です。
 
もうひとつの女装の側面
それは化粧です。男装にはあまりこの要素がありません。
 
化粧の起源はよくわかりませんが、
古来からの漢字で「媚(こび)」という文字があります。
これは「女」に「眉」という字を書きます。
何が言いたいのかというと
眉毛を整えるということは化粧のベースです。
その眉毛を整える女性を指して「媚(こび)」ということからも
化粧に対しての古代からの偏見というのが垣間見られます。
  
そう、化粧という要素が持つその偏見こそが
男が女装をする際により異質と思われる大きなポイントなのです。

つまりそこには
女に媚びへつらわれる存在の男が女性のような化粧をして媚びへつらう。
という要素が含まれているのです。

男の女装が女の男装よりおかしいというところには
蔑視の構造が未だにあるからです。
 
しかし、コスメティックルネッサンスと言われて久しいですが。
女性が男に媚びを売るために化粧をする時代ではなく
自分を輝かせるために化粧をする時代です。
これから徐々にその偏見も変わってくるのでしょう。
 
女装をしてみないとなかなか気付かない蔑視の構造です。
気付きがたくさんあるから、女装はやめられないのです。