ラジオという友達

今、私の中でラジオブームが再燃しています。
ラジオが今とても楽しいです。

つい最近目の調子が悪かった時期があり、
その時、本やTVを観るのがしんどいこともあって、
情報入手と脳トレを兼ねて、
itunesにあるpodcastの番組で興味をもったものを
片っ端から倍速聞きしていました。
その中で断然面白かったのが、ラジオのフリートークの一部を
配信しているものでした。

思い返せば私はもともと中学生前半くらいまではラジオっ子でした。
きっかけは小学校4年の時にお年玉で買った
Sanyoのラジオ付の赤いカセットレコーダー。
当時はテレビが一家にまだ一台という時代で
ラジオは親や姉とのチャンネル争いをせずに、
自分の思い通りに楽しめた初めてのメディアでした。

夕食後のゴールデンタイムのテレビを観た後、
自分の部屋に戻り、ラジオを聞きました。
ラジオから聞こえる声はとても親しみやすく、
とても正直なものに聞こえました。
そこが嵌った理由です。

出演者もテレビに比べるとリラックスして、
本音を聞けている気がしました。
それはまるで友達と話しているように。
ハガキを読み上げ、それに対する感想や意見を聞きながら
自分も「そうそう」とか「そういう意見もあるのか」と
感心したり、共感したりしました。

末っ子で育ち、周囲が年上ばかりの環境になれていた私は
自分よりちょっと年上のリスナーやパーソナリティーの話を聞いて
あれこれ妄想を膨らませるのが楽しくてしかたありませんでした。
それは深夜まで続き、酷い時は朝の4時5時まで続いていました。
だから、私は朝起きられない小学生でした。
年間遅刻回数も20回越えとかしていました。

中学生になり、周りがラジオリスナーになっていくと
私のラジオへの関心は薄くなりました。
理由は思春期の悩みに共感できなくなったからです。
いや、共感したくなかったのかもしれません。

もともとおませな性格もあったかと思いますが、
周りの子がラジオを聞きはじめると、急に興味を失いました。
また、性的なことや恋愛が話題の中心にもなっているので
自分のセクシャリティに迷いが生じていることも影響してか、
同世代のそういう話を聞きたくなかったのです。

それからは他の娯楽(音楽鑑賞や本など)への興味が高まり、
ラジオには関心がなくなりました。
赤い小さなカセットレコーダーはオーディオコンポに変わり、
コンポで当時あまり音質の良くなかったAMラジオを聞くというのも
無駄のように感じ、視聴習慣もいつしか薄れて行きました。

ところが最近になり、podcastでラジオの番組を聞きかじっているうちに
ラジオをもう一回聞いてみようという気持ちになりました。
そこはPCでラジオが聴けるようになったというのも大いに関係していると思います。
齢も36になると、もう自分のセクシャリティがどうのこうのというより
ただただ人間が愛おしいというか、可愛いものに思え、
ひたすら共感している自分がいました。

特に今気に入っている番組は
安住紳一郎の日曜天国
爆笑問題の日曜サンデー
「JUNK爆笑問題カーボーイ
久米宏 ラジオなんですけど
清水ミチコのミッチャン・インポッシブル」
といったところです。
全て録音して倍速で聞いています。

ビジュアルイメージによるインパクトが重視されている現代社会。
情報を効率的に入手できるという半面、
そこに潜む作為への懐疑をしなければならないのも事実です。

ラジオに嘘がないとは思いません。
でも、ビジュアルの操作がなく、聴取者のイメージを膨らませながら
声で共感を紡いでいくラジオが今の私にはとても心地よいのです。

何かお勧めのラジオがあったらぜひ教えてください。