ビバ!チバ!

私はヤンキー及び田舎文化というのが苦手でした。
それは私が千葉の片田舎で育ったことが大きく影響しています。
 
私の中学生時代、周囲の7割方、いや、8割方はヤンキー/田舎文化圏の人でした。
80年代の千葉の奥地というのはそういうところです。
 
私は幼少時に東京から都落ちするように千葉に移り住んでいった口です。
物心の中にしっかりと東京の記憶が残っていたので
「千葉くんだりに来てしまった!」という意識が最初から強く、
自分は本当は東京の人間なんだ、東京の方が素晴らしいんだという
おかしな東京愛を持って少年期を過ごしました。
 
そして、何よりもヤンキー/田舎文化が受け入れがたかったのは
その文化圏では暴力が規則(法)や理性に勝るということでした。
私は理不尽な暴力というのが、昔から本当に苦手で、
実際に私は人生において殴り合いの喧嘩というのを一度もしたことがないのです。
 
私は暴力に対する恐怖と、それに負けてはいけないという反発心で
ユーモアのセンスを磨き、都会的な文化を愛しました。
小学生からユーミンを聞き、誰よりも早く深夜ラジオを聴き、
テレビ局開催のイベントにも一人で果敢に参戦する子供でした。
そしてヤンキー/田舎文化を徹底的に軽蔑するということで自分を支えました。
部活にもヤンキーがいっぱいいたので一切入らず、
中学受験や高校受験で都内の学校を受けたのも
そういう流れの延長線上だったのかと思います。
 
今思うと、子供っぽいやり方だったなと思います。
暴力が支配といっても優しい人はたくさんいましたし、
茶髪やメイク方法などで当時リアルタイムで受け入れなかった文化の中にも
面白いものがたくさんあったと若干後悔しています。
 
そんな私が今はヤンキーも真っ青になるような
突飛な格好やメイクをして、
常識への挑戦状をたたきつけるようになるだなんて。
 
人生って面白いですね。
  
ちなみに私、これだけ周囲を軽蔑しながら生きる
可哀想な子供であったにもかかわらず、
人生においていじめにあった記憶がほとんどありません。
 
千葉県って本当に優しい人が多いんだと思います。
だから、私は今は出身を聞かれると惑うことなく
千葉県出身ですといいます。ビバ!チバ!